- トランプ米大統領の就任、英国のEU離脱(Brexit)など、益々、混迷し未来を予見することが困難な21世紀のグローバル社会は、まさしく、本書のタイトルでもある「答えのない世界」ではないでしょうか。数多くの著作で一貫して日本の改革を訴え続けてきた大前研一は、本書の中でこう述べています。
「IoTやフィンテックのように、21世紀は新しい産業がどんどん生まれてくる。あらゆる産業がテクノロジー化する、と考えて間違いない。既存の労働集約的な産業は、人件費の安い優秀な国へと必ず移っていく。イギリスで始まった産業革命の歴史とはそういうものだった。人口が減少し、人件費の高い日本が既存の領域で再び競争力を持つことはありえない。さらなる成長を遂げるには、新しい分野への挑戦が不可欠だ。<中略> 今の教育制度では野心に満ちた日本人は育たない。欧米に追いつけ追い越せの時代の教育だからだ。答えがあって、それを早く覚えて問題を解いた人が評価される。教えられたことしか覚えない姿勢がしみ付いていると、21世紀のデジタル新大陸では戦えない。これからのビジネスで問われるのは、答えのない世界でどう生きていくかだ。」<摩擦はなくなったが日本の存在感は低下(週刊 東洋経済 2016/11/12号) 本書より>
本書の第1章では、この書籍シリーズの元になっている会員制月刊情報誌「大前研一通信」から、米大統領選後の日本の行く末から見る、今後必要となる人材像、また、企業とこれからの人材育成を俯瞰した上での21世紀に求められる人材の要件を、そして、国家と企業の未来や、取り巻く環境の変化への洞察、日本の教育の見直しを警鐘したメッセージなどを中心にご紹介しています。第2章、第3章では、答えのない21世紀の世界で生き抜くための幼少期からの子供の学び、特にバイリンガル幼児園に関してもより深く訴求し、生涯学び続ける人材を生み出す教育体系として政府もその拡大推進に舵を切り注目を集める国際バカロレア(IB)教育をはじめ、大前研一を学長とするビジネス・ブレークスルー(BBT)大学、大学院の取組みに「結果を出せる英語力」を養成する教育プログラムや企業への導入事例なども含めてご紹介しています。
21世紀の「答えのない世界」で、どういった未来への選択をすべきか。国際的に活躍・貢献できるようなリーダー育成を、幼児から大人(経営者)まで三世代に渡り支援する生涯教育プラットフォームでもあるBBTを設立した大前研一の発信や、本書の多くのメッセージが、子育て世代の皆さんの子供たち、また、貴方自身への「未来への選択」のヒントとなるでしょう。
答えのない世界|大前研一|ビジネス・ブレークスルー
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はじめに:「答えのない世界」での未来への選択とは
第1章:21世紀に求められる人材
□ 親は教育に「お金」ではなく「時間」をかけねばならない
□ 摩擦はなくなったが日本の存在感は低下
□ 21世紀の人材戦略
□ 突出した個人の時代に求められる「コンセプト力」
□ 21世紀型子育てのすすめ
第2章:子ども編-21世紀を生き抜くための子どもの学び
□ 子どもたちが生きる21世紀におこりうる未来
□ 変化する21世紀の教育とライフタイム・エンパワーメント
□ 国際バカロレア -生涯学び続ける人材を生み出す教育体系-
□ まとめ -家庭学習での適用-
第3章:世界に通用するグローバルリーダーの育成を目指して
□"国際バカロレア”本格導入で日本の教育はどう変わる?
□ BBT大学 インターネット大学の開拓者としての試行錯誤と可能性
□ これから求められる経営者像
□ すぐさま英語が身に付く7つの提言
□ BBTオンライン英会話導入事例
□ グローバルリーダーへの道
あとがき
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