- 本書の著者の谷口力夫さんは、杉並区杉並保健所 生活衛生課食品衛生担当 総括係長さんです。つまり日々、食中毒の調査や食品苦情の応対に尽力されております。本書の執筆中にも、管内で餅つき大会の行事食でノロウイルス食中毒が起こり、しばらく執筆を中断しながらようやく完成した本です。
長年の経験から、食中毒の起こる典型的パターンがあるようで、食中毒菌や化学物質などに整理して、それらを25に分類してもらい執筆していただきました。その中には輸入食材が多くなっている昨今、今では日本ではほとんど起こらないA型肝炎ウイルス感染など、海を越えてやって来るものもあるようです。食中毒もグローバル化しています。
また、食中毒は、普段、手洗いや日々の健康状態のチェックをしていても、ちょっとした油断からおこります。本書の原因と教訓をみると、調理現場の方には、ちょっと思い当たることがあるのではないかとおもいます。大きな問題になる前にこの食中毒パターンと教訓を頭に入れておくことをお勧めします。楽しいイラスト入りで見やすいですよ。
事例でみる 食中毒の現場 その原因と教訓|谷口力夫|幸書房
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- 事例でみる食中毒の現場
1.食品衛生監視員の仕事-食品衛生監視員の仕事/保健所へ寄せられる情報の傾向/受けられない相談/営業車のプロ意識不足は大きな問題/衛生のプロ、食品衛生監視員の活用
2.食中毒について-食中毒とは/食中毒の発生状況/食中毒の病因物質による分類/主な食中毒細菌・ウイルスの特徴
3.食中毒事例-シガテラ毒・イシガキダイ料理で1300万円の賠償/酒ダレと廃油処理剤を取り違えて「海鮮盛合せ」大混乱/「フグの肝臓スープ」、ちょっとのつもりが食中毒/メジマグロの刺身から、透明な寄生虫が3匹(アニサキス)/わらさ西京焼きでじんま疹被害‐味噌漬け作り置き14日目(ヒスタミン食中毒)/アジサイの葉で食中毒!?/小学生、理科実習「茹でジャガイモ」でソラニン中毒/キムチ鍋、スイセンとニラを間違えておう吐としびれ/ノロウイルス食中毒-にぎり寿司が原因/病院給食で石鹸手洗いもせず立て続けのノロ食中毒/学校給食ロールパン、素手で箱詰めノロウイルス食中毒/「シジミ醤油漬け」弱火加熱でノロウイルス食中毒/輸入冷凍アサリでノロとA型肝炎ウイルスに同時感染/従業員の下痢を見過ごして病原大腸菌食中毒/生野菜と肉の調理器具の共用-腸管出血性大腸菌O157食中毒/輸入冷凍イカ:刺身用に赤痢菌ー海外産地工場と厨房が直結/生焼け鶏肉とカンピロバクター食中毒/調理実習の器具と手指からカンピロバクター二次感/染/卵焼き弁当30℃、5時間放置でサルモネラ食中毒/傷のある手で盛り付けて黄色ブドウ球菌食中毒/低塩「イカの塩辛」で腸炎ビブリオ食中毒大発生/前日作り置きドライカレーにウエルシュ菌/調理前日に炊かれた米飯にセレウス菌の毒素/輸入した製品の添加物違反で回収、廃棄騒ぎ/ショーケースの温度管理ミスが大きな苦情につながる
4.食品クレームと対応のポイントー食品の苦情発生とその背景/苦情対応の失敗要因/苦情を受けたときの具体的対応のポイント/有症苦情の届出を受けた場合の対応/詐欺師などの悪質な苦情者への対処法/クレームは店を改善していく絶好のチャンス
5.食中毒を起こす主な微生物
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