- 2001年の国際血栓止血学会のovert-DIC診断基準の公表により,国内でも新しいDIC診断基準作成の機運が高まり,臨床病理レビュー特集第130号「DIC診断・治療に対する戦略的プロジェクト」が出版されました。そのDICに関する特集号からはや7年以上が経過しましたが,この間に日本救急医学会による急性期診断基準が発表され,同基準による前向き臨床試験が並行して行われました。厚生労働省DIC診断基準や国際血栓止血学会のDIC診断基準が特異度を重視しているのに比べ,日本血栓止血学会も関与した急性期診断基準は,感染症 DICの診断感度を著しく向上させた,新しいDIC診断基準と言えます。
最近の DIC診断・治療の進歩を第一,第二,第三世代という時間軸の観点で見ていただき,同時にDIC診療の進歩における臨床検査の役割の重要性を実感していただけると幸いです。
臨床病理レビュー 特集 第147号 DIC ~とびらを拓く第三世代へ~|尾崎由基男|和田英夫|宇宙堂八木書店
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- 臨床病理レビュー 特集 第147号 DIC ~とびらを拓く第三世代へ~
発刊にあたって 尾崎由基男・和田英夫
第 1 章 定義・概念
1. エキスパートコンセンサスの概念
2. 動物実験からの概念
3. SIRS-Associated Coagulopathy(SAC)の概念
4. 新しいDICの概念
第 2 章 診断基準
1. 第一,第二,第三世代のDIC診断基準
2. 第一世代のDIC診断基準
a. 厚生労働省(旧厚生省)DIC 診断基準
b. ISTH overt-DIC 診断基準
3. 急性期 DIC 診断基準
4. 第三世代のDIC診断基準作成へ / 新しいマーカー
a. HMGB1
b. マイクロパーティクル
c. DICとThrombin generation test
d. 白血球エラスターゼによるフィブリン分解産物
e. SF/SFMC
f. DIC診断におけるFDPとD-dimer値
第 3 章 臨床試験と検査
1. 敗血症 / DIC に対する臨床試験
2. 国内の DIC に対する臨床試験
3. プロスペクティブスタディ-よりよい検査と診断基準を求めて
a. Pre-DIC の評価
b. ISTH overt-DIC 診断基準ならびに修正 non-overt-DIC 診断基準
c. 三重県での DIC 診断基準の検討
d. 基礎疾患別の DIC 診断
第 4 章 治療-臨床検査の役割
1. 第一,第二,第三世代の DIC 治療
2. 第一世代の DIC 治療
a. 基礎疾患の治療
b. 未分画ヘパリン
c. 輸 血
3. 第二世代の DIC 治療
a. 合成プロテアーゼ阻害薬
b. 低分子ヘパリン
c. ダナパロイドナトリウム
4. 第三世代の DIC 治療
a. アンチトロンビン
b. 活性型プロテイン C
c. トロンボモジュリン
1) 敗血症での成績
2) 造血器悪性腫瘍に合併した DIC に対する rTM 製剤の効果
3) 止血系マーカーと治療効果の関係
第 5 章 トピックス
1. DIC / TTP / HUSの鑑別
2. FDP / D-dimer の標準化
3. 細菌性敗血症の診断-プロカルシトニン
4. 欧州と日本の治療ガイドラインの相違
5. 敗血症性 DIC の臨床検査による AT とトロンボモジュリンの使い分け
6. DPC 制度下の DIC に対する医療経済学的評価
略語表・索引 巻末
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医療と検査機器・試薬 vol.34 No.1 ¥1,260 |
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