
- 住宅建築2012年2月号は、現代生活の空間に「数寄屋」の精神を取り入れるためのヒントを紹介しています。
極限まで無駄を省き、自然を愛でるように寄り添う数寄屋。現代の住宅にそのまま置き換えるのは、あまり現実的ではないのかもしれない。しかし、その精神には大いに学ぶべきところがある。「清潔・自然・美」日本人の美意識に裏づけされた凛とした空間を目指すために学ぶべきことは何かを考えたい。
村野藤吾が1982年頃、渋谷区松濤の住宅に設計した茶室が平成14年湘南に移築された。萱庵(けんあん)と名付けられたこの茶室は、如庵を本歌とした村野流構えで端正な気品を感じる、氏最晩年の名席である。この茶室を手掛かりとして「茶室の「かたち」を解く」を松崎照明氏に寄稿いただいた。萱庵の他、3軒の数寄屋を紹介し、茶室を訪ねての対談を掲載。数寄屋の精神を現代生活の空間に取り入れるためのヒントとなる特集となっている。
シリーズ「住まいの原点 篠原一男の住宅」では、「白の家(1966年/移築=2008年)」を取り上げる。
戦後日本の住宅建築の流れに大きな影響を与えた「白の家」。この「白の家」は、かねてから計画されていた都市計画道路事業決定に伴って、2008年にさほど遠くない新たな敷地へと移築され、現在の姿を留める。建主は絵本を扱う出版社の創業者で、 現在も住み続けており、移築後も住み続ける新しい住空間を紹介する。
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住宅建築 2012年02月号No.431|建築資料研究社
三溪園|数寄屋|茶室