
- 透析中にぼんやりと天井を見ていたとき、「日本一周鉄道の旅」の計画を思いついた。長期間にわたる旅行はもうできないとあきらめていたが、何回かに分けて行えば良いのである。本書はこの計画の半ば、西日本一周を達成した記録を収めている。
著者は旅行中に「明日があるさ」という曲をよく聴いた。その歌詞に「ある日突然考えた どうして俺はがんばってるんだろう 家族のため? 自分のため? 答えは風の中」といったフレーズがある。著者も列車に揺られながら、自分はどうしてがんばっているのだろうか考えてみた。まだ答えはでないが、旅の車窓の中に何かが見えてくるかもしれないと思えるようになった。そんな期待をさせてくれるのが、この日本一周鉄道の旅の魅力なのだ。
透析患者の日本一周鉄道の旅 Ⅰ|高橋直|青山ライフ出版
人工透析