
- 白紙からつくりはじめる新聞は日々完全を追う不完全
蜜蜂がおとがい頤を垂る逝く日までニュースにまみれ生きてゆくのか
湧き上がる。真夏の空の青さから積乱雲の白とめどなく
言葉が広げる波紋の大きさ・小ささ、明るさ・暗さ、強さ・弱さ、堅さ・柔らかさ……。言葉というものの手触りを、毎日、実感している作者ならではの第一歌集である。人と人を結ぶのは言葉。言葉は人を育てもするが、人を殺す凶器にもなる。言葉を通して歴史が作られる現場に光が当たるスリルを味わうことができる一冊。 佐佐木幸綱
夜明けのニュースデスク|加古陽|ながらみ書房